目次
この記事の要点
- Web予約の方式は主に順番予約・時間帯予約・時間指定予約の3つで、診療スタイルと患者層で向き不向きが分かれます。
- 飛び込み受診が多い内科などは順番予約、一人あたりの診療時間が読める診療科は時間帯予約が向きます。
- Web予約は電話がつながりにくい時間帯の取りこぼしを防ぎ、来院後の院内待ち時間も短縮できます。
- 開業時はまず電話導線を整え、必要に応じて外部予約システムへつなぐ段階的な導入でも十分機能します。
- 予約システムはホームページとは別サービスのことが多く、トップから迷わず予約に飛べる導線設計が要になります。
クリニックのWeb予約は、電話がつながりにくい時間帯の取りこぼしを防ぎ、来院後の院内での待ち時間も減らせます。一方で、すべてのクリニックに必須というわけではありません。この記事では、予約方式の違いと自院に合う選び方、そしてホームページからの予約導線の作り方を、開業医の視点で整理します。
Web予約と電話予約は何が違う?
Web予約は、患者さまがスマートフォンやパソコンから24時間いつでも予約できる仕組みです。診療時間外や電話が混み合う時間帯でも予約を受けられるため、電話だけでは取りこぼしていた患者さまを拾えます。電話予約をなくす必要はなく、電話とWebを併用して入口を増やす、という位置づけで考えるのが現実的です。
Web予約の主な方式(順番予約・時間帯予約・時間指定予約)
クリニックのWeb予約には、大きく分けて次の3つの方式があります。どれが適しているかは、診療科や一人あたりの診療時間、飛び込み受診の多さで変わります。
| 方式 | 特徴 | 向いている診療 |
|---|---|---|
| 順番予約 | 受付順に診察。順番が近づくまで院外で待てるため、院内の待ち時間を減らせる | 内科・小児科など、飛び込み受診が多く一人あたりの時間が読みにくい科 |
| 時間帯予約 | 30分などの時間帯ごとに受付枠を設ける。順番予約と時間指定の中間 | 眼科・整形外科など、診療時間がある程度読める科 |
| 時間指定予約 | 1枠1名で時刻を指定。待ち時間が最も少ないが、枠管理は厳密になる | 自由診療やカウンセリングなど、1件あたりの時間が長い診療 |
最近は、時間帯予約を基本にしつつ空き枠へ当日の受診を入れる、といった組み合わせ運用も増えています。まずは1つの方式から始め、運用しながら調整していく形でも問題ありません。
自院に合う方式はどう選ぶ?
予約方式を選ぶときは、次の点を基準にすると判断しやすくなります。
- 飛び込み受診の多さ(多いなら順番予約が運用しやすい)
- 一人あたりの診療時間が読めるか(読めるなら時間帯・時間指定が向く)
- 主な患者層の年齢(高齢の患者さまが多いなら電話併用を前提にする)
- 自由診療の比率(予約枠を厳密に管理したいなら時間指定)
Web予約を入れるメリットと注意点
メリットは、時間外の取りこぼし防止、院内の待ち時間短縮、電話対応の負担軽減です。一方で、導入前に次の点も押さえておきます。
- 高齢の患者さまには電話のほうが使いやすいため、電話導線は残す
- 予約システムはホームページとは別サービスのことが多く、別途の費用と運用が発生する
- 無断キャンセル対策として、リマインドメールや前日連絡の仕組みを検討する
導入費用の目安
クリニック向けの予約システムは、初期費用と月額がかかるクラウド型が主流です。各社の公開料金をもとにした目安では、クラウド型で初期費用が0〜10万円程度、月額が1〜5万円程度に収まることが多く、小規模なクリニックほど低い側に寄ります。機能や連携の範囲で幅があるため、最終的には自院の診療スタイルに合うかで判断します(参考: クリニック診療予約システムの料金比較)。なお、この費用はホームページ制作費とは別枠です。ホームページ側の費用はクリニックのホームページ制作費用で解説しています。
ホームページからの予約導線の作り方
予約システムを入れても、患者さまがその入口にたどり着けなければ意味がありません。多くの場合、予約システムはホームページとは別サービスのため、ホームページのトップから予約システムへ迷わず飛べる導線を用意することが要になります。
- トップページの目立つ位置に「Web予約」のボタンを置く
- スマホで親指が届く位置に、電話とWeb予約の両方を並べる
- 診療時間の近くにも予約導線を置き、「いつ・どう予約するか」をまとめて見せる
どの情報をどう並べるかは、クリニックのWebサイトに必要な情報とページ構成も合わせてご覧ください。
よくある質問
- Web予約は必ず導入したほうがよいですか?
- 必須ではありません。まずは電話導線を整え、電話がつながりにくい時間帯の取りこぼしが気になってきた段階で、外部予約システムへのリンクを設ける方法でも十分機能します。
- 高齢の患者さまが多いのですが、Web予約は向きませんか?
- 電話予約を残したうえで、Web予約を併用する形にすれば問題ありません。入口を増やす目的でWeb予約を足す、と考えると導入しやすくなります。
- 予約システムはホームページに含まれますか?
- 多くの場合は別サービスです。ホームページからは予約ボタンやリンクで予約システムにつなぐ形になります。導入時は、トップから予約に迷わず飛べる導線になっているかを確認してください。